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コミュトレ「点のなかの点」1
Ball-Dayの支援の基幹をなすコミュトレ(コミュニケーショントレーニング)。
ネタは月替わりで展開しています。現在(12月)に取り組んでいますコミュトレをご紹介します。
その名は、 「 点のなかの点 」。
【概要(プロローグ)】
この世の中に存在する無数の点。
なにものでもない点たち。
しかし、つながりあって、何かを形づくる。
「点のなかの点」は、
しゃべって、仲間を見つける正体隠匿系のゲームである。【ねらい】
友達の発表をちゃんと聞くこと!「聞きなさい!」
「ちゃんと聞こう!」
と促されても、本質的には成長にはつながらないと考えるのがBall-Dayです。
聞くことが、しっかり身についていないからです。
そして、ゲームを通して、その習慣化を狙うのが、今回の意図です。【活動内容】
1.各プレイヤーは与えられたお題について、以下の3項目を発表してもらいます。
①視覚情報(見た目の特徴)
②視覚以外の五感情報(感触や質感・におい・音などの特徴)
③用途(よく使われる場面・よく使う人などの情報)2.各プレイヤーは全4ターンの発表ができます。
上記①~③のいずれか1つを4ターン目で追加して補足できます。3.他のプレイヤーは友達の発言を聞きます。
必要に応じて、メモを取ることを推奨しています。4.各プレイヤーは自身のお題の仲間であろうお題を言った人を指名します。
5.仲間はずれがいない(=すべてのプレイヤーが誰からか指名を受けている状況)場合、
成功です!6.互いに指名し合って、全員、ペアになれたら、それは「奇跡」です!
しっかり話が聞け、比較・検討ができた証といえるでしょう。ちなみに、このプログラムを作り上げていくなかで、
スタッフで8回試しをしました。
そのうち、2回だけこの完全マッチングができました。さあ、子どもたちでは、どうなるか???
【解説】
このプログラムは、友達づくりの基礎をなすものでもあります。
今のBall-Dayの課題が、
友達の発言をちゃんと聞けていないことにあるため、
この時期にこれをしていますが、
本来であれば、新学年を控えた3or4月にしたいところ。過去にも「友達ってどうやったらできますか?」と、
利用のお子さんに聞かれたことがあるのですが、
一概には言えませんが、
基本は、共通点・仲間さがしなんだと考えます。それは見た目で分かるものもありますが、
多くはしゃべって分かることが多々なんですよね。【補足】
今回のプログラムは、大枠のカテゴリーは同じにしています。
例えば、このあとご紹介する例は「クリスマスに関するもの」です。
クリスマスといっても、
食べ物系もあれば、プレゼント系もあれば、装飾系もあります。
そういう仲間を見つけてもらいます。リアルな世界に置き換えると「〇〇小学校」という大きなくくりは一緒。
でも、そのなかには、
野球好きもいれば、卓球好きもいれば、スポーツは苦手という人もいます。
小学校が同じだからといって、
必ずしも友達にはなれませんよね?
大人になって、もっと大きな世界に出ると、
地元が一緒とか、同じ小学校の同窓生というだけで話は膨らむものですが、
小学生の間は、やはり共通点さがしなんだと思います。なんとなく、ご理解いただけましたでしょうか?
↓ ↓ ↓
【実際の問題から】
早速、12月5日(金)、利用児童8人での取り組みをご紹介します。
大きなカテゴリーは、先ほど書いたとおり「クリスマス」です。
それぞれのお題を伏せて、話を進めますので、
皆様も、子どもたちの発言をもとに、どの組み合わせでペアができるか考えてみてください。(1)視覚情報
A:上が長い
B:三角でも丸でもある
C:カラフル
D:体型が丸々としている
E:見た目の色・形・大きさはいろいろ
F:茶色
G:鼻が赤い
H:短いものは1m、長いものは5000mくらいある(2)視覚以外の五感情報
A:においは人(体臭)によって違う
B:甘い
C:ざわざわ
D:ふにゃふにゃ
E:ものによるけどカサカサしている
F:ジュージュー
G:シャンシャンという音
H:まぶしい(3)用途
A:外に出るときにはく
B:誕生日に使われる
C:家の中にも外にもある
D:南極
E:子どもがもらったら喜ぶもの
F:ケンタッキーで売られている
G:クリスマスでよく見る
H:明石海峡大橋やディズニーで見る(4)上記3項目のいずれかを補足
A:用途;足を守るもの
B:用途;いちごをのせることがある
C:視覚;人より大きい
D:視覚;色は赤と白
E:用途;クリスマスで使われる
F:用途;マイクラの映画の曲に使われた
G:用途;サンタを引きずる
H:視覚;カラフルA~Hの8人が持っているお題は分かりましたか?
実際の場面では、
先に指名をして、
その後、
お題を当てるクイズみたいな
流れになります。ですが、
イメージしていただくために、
先に、
お題を書きます。(お題発表)
A:くつ下
B:ケーキ
C:クリスマスツリー
D:サンタクロース
E:プレゼント
F:チキン
G:トナカイ
H:イルミネーションまずは、子どもたちの説明で、お題を当てることはできましたでしょうか?
若干、あやしいものはあるかとは思いますが、
大枠のカテゴリーがクリスマスと分かると、
絞れたりもするものです。(想定のペアリング)
問題を作るにあたって、ペアリングを想定して作っています。この問題の場合は、
A(くつ下)+E(プレゼント)
B(ケーキ)+F(チキン)
C(ツリー)+H(イルミネーション)
D(サンタクロース)+G(トナカイ)(実際の指名)
以下は、お題(答え)が発表されていない状況で、
A~Hの8人が指名した結果です。A→E(理由;プレゼント繋がり)
B→F(食べ物繋がり)
F→B(食べ物繋がり)
C→H(カラフルさで似ている)
H→C(見た目が似ている)
D→G(クリスマス繋がり)
G→D(クリスマスで一緒)
E→G(クリスマス繋がり)(結果)
ご覧のとおり、Aを指名した人がおらず、Aが仲間はずれとなりました。
なので、この回はマッチング失敗となります。・ ・ ・
いかがでしたでしょうか?
市販されている正体隠匿系ゲームの、
マルチタスクな要素をシンプルにアレンジしているのと、
クイズ要素が強いので、
子どもたち、ビックリするくらいハマってくれています。また、別の日の取り組みをご紹介できたらと思います。
お楽しみにしていてください!